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イギリス、アンティークな暮らし。

15世紀に中世の廃船を利用して建てられたという”Old Court”に暮らしてから、以前にも増して古いモノに愛情を感じるようになりました。 イギリス在留19年のアンティークディーラーの日々の暮らしのアレコレ。商品の買い付けや愛用のアンティーク、お気に入りのお出かけスポットや観光地、料理のレシピ等々・・
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アンティークブック ~1815年のブリタニカ百科事典~

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上 お馴染み(?)、友人のアンティークディーラーSさんのお店の入っているアンティークショップにやってきました。

実はワタクシ、彼のお店へ通じるこの階段がワケもなく好きなのです ラヴ ハート
いつかこの階段に腰掛けて・・
冬の日差しが鈍く射し込む午後ならミルクティーをすすりながらハーレクインロマンスを・・、すっかり日が沈んでしまった後ならバーボンをロックで飲りながらミステリー小説を・・というのが目下のワタクシのささやな願望です。
夜はともかく、昼はお客さんが上り下りをしているので難しそうですが・・(笑)。


さてさて・・
ご存知の方もいらっしゃるかもなのですが、Victorian Cat Antiques ではSさんのアンティークブックも扱っています。
一言でアンティークブック・・と申しましても、Sさんのアンティークブックはちょっとやそっとのアンティークではございません。
今回ワタクシのお店で紹介させて頂くのは、 な、なんと! 1815年発行のブリタニカ百科事典。
全てオリジナルで、モチロン全巻(全20巻)揃っています。


中をペラペラしてみると・・
ダイビングベルを使った海中探索の方法や天体望遠鏡の原理など等・・が、写実的かつ繊細なタッチで描かれ、とても200年も前に書かれた本だとは思えませんデス!


ところで・・
本の裏表紙には「ファミリーアーム」(2枚目写真)が貼られているのですが、このことから本の元々の持ち主はおそらく貴族(もしくは準ずる階級)で、私設図書館を持つクラスの人物だったということが推測できます。
お名前はチャールズ・エドワード(Charles Edward)さんとおっしゃるようです。



本
チャールズ・エドワードは窓の外を冷ややかな目で一瞥した。
夏はともかく、鬱々と暗いイギリスの冬は外出する気も起きやしない。
特に寒さの厳しい12月から2月はそうだ。
この季節チャールズは友人たちと雉狩りに出かける以外、屋敷内のライブラリー(図書館)で一日を過ごすことが多かった。
勿論本が好きだということもあったが、3年前に妻を病気で亡くしてから観劇やオペラ鑑賞など社交に対する興味をすっかり失ってしまったというのが正直なところだった。

ライブラリーに足を踏み入れるとまず壁一面天井まで届く蔵書に驚かされるが、この部屋で最も目を引くのは成人男性の背丈ほどはあろうかと思われるあるあかあかと火の燃える暖炉だった。
暖炉の火は照らすもの全てを温かで心地よい雰囲気で包む。
今の瞬間だけでなく時には懐かしい思い出さえも・・。

暖炉の前に置かれたこの椅子はかつては父の場所だった。
父の膝に座り本を読んでもらった事がチャールズにはつい昨日の出来事のように思えた。
ここはずっと同じだから・・。
室内を確認するように見渡すと彼は小さくつぶやいた。
実際父が生きていた頃と何一つ(家具の配置さえも!)変わっていなかった。
イギリスでは数十年程度の単位では何も変わらないのだ。

チャールズは本棚からずっしりと重い一冊の本を手に取り、暖炉の前のお気に入りの椅子、彼の父そしておそらく父の父も愛用したであろう椅子・・にゆっくりと腰を下ろし、彼が生まれるずっと前に亡くなったという祖父に一瞬思いを馳せた。

D・・D・・、Daiving Bell(ダイビングベル)・・
お目当ての項目を見つけると彼は熱心に読み始めた。
読み進むにつれ彼の瞳は輝きを増し頬は少年のように上気し、先ほどここに入ってきた時とはまるで別人に見えた。

子供時代、深い海の底はどうなっているのかと胸をときめかせた。
どうして?どうして??を連発して若き日の父を困らせたことも1度や2度ではない。
その度に父はブリタニカを開き、一つ一つ丁寧に説明をしてくれた。
海の底の形態、天体のしくみ、動物の種類・・
父に(ブリタニカに?)わからないことは何もなかった。


(は・・っ! !絵文字名を入力してください
ワタクシったら、また妄想の世界に・・(笑)。


それにしても・・
イギリスで某チャールズ・エドワード氏(笑)が海底探索に思いを馳せていた頃、日本はチョンマゲ江戸時代~ ・・・汗
そう考えると不思議ですぅ~。



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イギリスで1815年に発行されたブリタニカ百科事典(全20巻)


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裏表紙にはファミリーアーム(日本の家紋のようなもの)が貼られています。
この百科事典のかつての持ち主は、チャールズ・エドワード(Charles Edward)さんとおっしゃるようです~。


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全巻で600ほどのイラストが使用されていると記載されています。
当時としては画期的なことでした。


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ダイビングベルを使用した海底探索について。


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「ダイビングベル」のイラスト


Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008.01.18 18:03 | | # [edit]
べにばな子 says...""
今日も良い物、見させていただきました。
ねこさんの妄想にもついつい引き込まれ・・・

ところで、先日、雑誌のショップ紹介、
拝見いたしました~~

うん、かわいい~~
ねこさんって、センスも文章も
独特の落ちつきがあるので、
もっと、年上の方かとかってに思っていました。

お若いのに、センスと気品!!
すばらし~~おきれいでしたが、
実物はもっとすごいのでしょう~~
2008.01.19 10:59 | URL | #- [edit]
mobili says...""
ブリタニカ百科事典興味あります。HPを見たらholdになってましたね。さすがです。

私も雑誌のお写真を拝見しました。でも前の雑誌のご主人とのお写真を拝見していたから、ねこさんがあの小さな白黒のお写真の何倍も美しく若い方だ、ということは解かっています。
2008.01.19 21:07 | URL | #LfqmvLHM [edit]
ねこ says...""
べにばな子さんもmobiliさんも本当の本当にヨイ方ですぅ~(笑)。

本当の顔(?)は、あの写真のパーツをもっと中心に寄せた感じです。
あの写真は、オットいわく、広角レンズで撮ったのか?・・だそうです。
鼻を中心にパーツが外側に向かって間延び(?)しているらしいです~(笑)。

ブリタニカ百科事典、日本にお嫁に行くことになりそうです。
某チャールズ・エドワードもまさか自分の本が200年の時を超えて日本へ・・などとは想像もしていなかったに違いありませんデス~。
2008.01.21 09:58 | URL | #RF9iDDMM [edit]
becket says...""
先ずはここでも”ブキッ”と押してランキングアップのおまじないを。
チャールズ・エドワードの1節、魂が引き込まれそうです。
紋章も有難く拝見。
興味深いブリタニカ百科事典は嫁ぎ先が決まったようですね。下拙ですが値段が気になります。
2008.02.03 13:44 | URL | #- [edit]
ねこ says...""
おまじない、どうもありがとうございます。
(いつも本当にお世話になっていますデス)

>チャールズ・エドワードの1節、魂が引き込まれそうです。

ワタクシの書いた妄想小説(?)にココロ優しいお言葉をどうもありがとうございます(笑)。
古いモノを見ると、つい自分の世界(妄想の世界?)にトリップしてしまうのですぅ~v-283e-263

>興味深いブリタニカ百科事典は嫁ぎ先が決まったようですね。下拙ですが値段が気になります。

はい、どうにか決まりそうです。
Sさん(本の持ち主)もコレクションがバラバラになることなく、一人の方にお売りできる事を非常に喜んでいます。

お値段ですが、全巻セットで日本円だと45万円くらいです。
送料は別に必要ですが、今回はまとまった冊数なので本用の特別の輸送を使うことができるので、それほど高くはないと思います。
2008.02.04 07:59 | URL | #DxNWTLA6 [edit]

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